お陰様で二周年

この5月で開院二周年を迎えることができました。ひとえに地域の皆様のご支援のお陰です。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。今回は看護師長の佐々木より御礼のご挨拶をさせていただきます。2年前、私と友人、そして友人の先輩である師長の3人で開院しました。私は訪問診療の経験はあるものの診療しかしたことがない、友人と師長に至っては訪問診療の経験がない、患者もいない、まさにないないづくしのスタートでした。「患者ゼロからのスタートだったんで階段を一段ずつ上るようにやってこれた」と私が振り返ると、「はぁ〜?、三段飛ばしくらいのペースできたと思いますけど…」と師長は反論します。師長にはそれだけ苦労をかけました。クリニックや病院は医者や診療が売り物ですが、お店と同様バックヤードが必要です。当院のバックヤードをゼロから作り上げ、今もバックヤードを一手に担ってくれている師長に、「貴方、クリニック開設の how to 本がかけるよ」と冷やかしています…

開院3年目を迎えて       

当院は今年で開院3年目を迎えました。普段、文章を書く機会が少ないため拙い点が多々あるかと思いますが、これまでの経験を振り返り、思うところをまとめてみました。

開院当初はさまざまなことが初めてで、何をどこから手を付けてよいか分からない状況でした。事務所の準備、地域の他事業所への挨拶回り、介護保険関連の手続き、そして要否意見書や訪問看護指示書など見慣れない書類の数々。さらに、診療に必要な物品の発注、他事業所との連絡調整など業務は多岐にわたり、今思い返すと大変な日々でした。先生を含め3名という少人数でスタートしたクリニックでしたので、診療業務と事務作業を同時に進める必要があり、慣れない業務に追われ戸惑うことも多々ありました。それでも、先生からの励ましや時に厳しいご指導を受けながら、患者様や関係者の皆様にできるだけご迷惑をお掛けしないよう精一杯取り組んできたつもりです。とはいえ、ご迷惑をお掛けしたこともあったかと思います。その際は本当に申し訳ありませんでした。

知識も経験も不足していた私ですが、当院として初めて輸血をするため、必要な手続きを一から学び、実際に施行できたことは大きな達成感がありました。また、ワクチン接種関係の問い合わせや登録・報告の方法も試行錯誤を重ねながら身につけ、業務を滞りなく行えるようになった時には少しは成長できたのではないかと思います。しかし、人間関係や日々の業務で悩むことも多く、心身ともに苦しくなり、退職を真剣に考えて申し出たこともありました。その際は周囲のスタッフや多くの方々に支えていただき、再び気持ちを立て直すことができました。今振り返ると、この2年間は本当に周囲の皆様に支えられてきたのだと実感しています。開院して1年が過ぎ、事務所の移転やスタッフの増員など環境面で変化がありました。新たな仲間が加わり、分担体制が整うにつれ落ち着いて業務に取り組めるようになり、職場全体の雰囲気も良い方向に変わっていきました。新しい視点や意見も増え、クリニック全体も少しずつ前進していると感じています。

訪問診療を通して感じることは、函館市周辺地域における高齢化の進行に伴う課題です。通院が困難になる患者様が増加しており、「自宅で最期まで過ごしたい」という思いを強くお持ちの方も少なくありません。そうした患者様の希望を支える訪問診療の重要性を日々痛感しています。しかし、在宅療養を支えるためにはクリニックだけでは限界があり、ご家族をはじめ、ケアマネージャー、訪問看護、訪問リハビリ、ヘルパー、デイサービス、福祉用具事業所など多くの方々との連携が欠かせないことを実感しています。それぞれの職種が力を合わせ、患者様にとって最適な環境を整えることがいかに大切かを学ぶ毎日です。

まだまだ未熟な点も多く課題も山積していますが、これからも患者様の思いに寄り添い、少しでも安心して在宅生活を続けていただけるよう努力してまいります。今後とも皆様のご指導とご支援のほど心よりお願い申し上げます。

ホームケアクリニック北斗星 看護師長 佐々木 豊